「求道者」を意味する「ボーディーサッタ」を漢字で音写した
「菩○提薩○埵」という言葉を略し、菩薩と呼ばれるものです。
求道者とは「悟り」を求め修行する釈迦(俗名ゴータマシッダルタ)を意味
していたものが、悟り(如来=成道)を求め修行する者を意味する言葉とな
りました。
その姿は釈迦如来が悟りを求め、出家する前のお姿を現していると言わ
れております。
ゴータマシッダルタは紀元前5世紀、現在のネパール付近にあった
「カビラ国」という小国の皇太子であったことから、
質素なお姿である如来とは異なり、煌びやかな装身具(宝冠や瓔珞、腕釧等)を
身に付けたお姿となっているのです。
我々がよく耳にする菩薩として
・妙法蓮華経普門品(ふもんぼん)第25観音経や摩訶般若波羅蜜多心経に出てくる
「観世音菩薩(通称観音様)」
・六地蔵でお馴染みの地蔵菩薩
・国宝第1号に指定された優雅な思惟像で有名な弥勒菩薩
・広大無辺の智慧を持つ虚空蔵菩薩
等があります。
なお、菩薩のお姿として観世音菩薩のように女性的に見えるものもあり
ますが、菩薩に性別の区分はありません。
菩薩の修行とは、現世で苦しむ我々衆生を救済する活動であり、
存在なのです。
そして、既に悟りを得て、ブッダに成り得るにもかかわらず
、菩薩として衆生救済活動を続けているとされる「文殊菩薩」
という存在もあります。

閑話
弥勒菩薩は釈迦如来の救済から漏れた衆生救済の方法を
思索する姿で表されているもので、
右手指を右頬付近にそわすようにしている形が特徴です。
釈迦如来入滅後56億7000万年後現世に如来として現れるとされる
「未来仏」なのです。
※京都市右京区太秦にある「広隆寺」の木造弥勒菩薩半跏思惟像(宝冠弥勒)
は飛鳥時代の作として国宝第1号に指定されています。
右手を頬にあて微笑の表情で、台座に腰掛けて左足を地面につけ、
右足を半跏座(左足の上に乗せる。)にする、綺麗なお姿です。
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